2009年10月13日火曜日

ソールズベリーの教会

先日ソールズベリーに行ってきました。
ここには大聖堂があります。
併せて、町並みもとてもかわいらしくって、観光にもお勧めです。
アクセスはロンドン街中からだとウォータール駅から1時間30分ほど。
駅からストーンヘンジ行きの路線バスも出ていますから、そこと併せてロンドンからの日帰り観光にぴったりです。

ソールズベリーの町はそんなに大きくありませんから、ゆっくり徒歩で観光するといいと思います。
この町ができたのは、13世紀。
その前はここから3kmくらい離れたところにセーラムという町がありました。
ノルマンの王様がお城を築いて、脇に大聖堂も建てられました。
ところがスティーブンという王様の時代に、教会と王権の紛争が続いて、結局別の場所に大聖堂が引越しすることになったのです。

その当時の司教様が持っていた地所が、現在の大聖堂の建っているところ。
偶然にも厚い岩盤が1mくらい下にあるので、こんな大きな建物を支えることができているのです。
神様の手が見えないところで働いているのかも。この大聖堂の塔のてっぺんまでは123mです。
簡単でしょう?
塔の上まであがれるそうですが、私は高所恐怖症なので、パス。
この教会の見所は、洗礼盤。
洗礼盤は一見の価値はあります。
洗礼というのは神様の国に登録するということ。
ですから聖水は神様の水なんです。
洗礼盤はその水の入っている器。
水面が鏡のようで不動に見えるかもしれませんが、水が落ちているのですから動いているわけです。
表面に映し出されるのは、その人がどこに立っているかで違います。すごく考えさせられる場所です。
マグナカルタもチャプターハウスに展示されていますから、ここまで来たらついでに見てください。
でも大英図書館のものの方が私はいいと思います。

私はここの大聖堂よりも、街の中心にある地区教会の方が好きです。
もしソールズベリーに行く機会があったら、こちらを見逃さないでください。
名前はセント・トーマス。「疑い深いトーマス」ではなくって、トーマス・ベケットの方です。
カンタベリーでお祈りの途中に、ヘンリー2世の命によって殺された大司教様です。
王権と教会の対立の結果、ソールズベリーの大聖堂の建築がはじまったわけで、その建築にかかわる町の人たちのために作られた地区教会が、王権と教会の対立のために殺された聖人の名前。
ちゃんと辻褄が合うでしょう?
ベケットが亡くなった場所では、たくさんの奇跡が報告されました。
カンタベリー詣も盛んになって、カンタベリーの町は随分潤ったわけです。
もしかしたら、ソールズベリーもそれにあやかろうと思ったのかしら?

この地区教会の中には、古い壁画が残っています。
キリスト教には、この世の終わりに全ての人が神様の審判を受けるという考えがあります。
この絵はそのシーンです。
15世紀頃の作品です。
左手が天国に行く人たち。
右手が地獄に行く人たち。
この絵は宗教革命の時代には石灰塗料によって隠されていました。
今でも残っていること自体が奇跡のようなもの。
本堂の右手のギルドチャペルの壁画も素朴でステキです。

4 件のコメント:

maki さんのコメント...

ボクシングデイに、日系の日帰りバスツアーで寄った場所です。周りのお店は当然お休みでしたし、ツアーということで時間もなく、あっという間に通り過ぎて閉まった場所ですが、高い尖塔は覚えています。

街の中にもこんなに面白い、歴史の一部が隠れているんですね。もう一度訪れてみようと思います。

のび太 さんのコメント...

歴史を感じさせますね。
いつか訪れてみたいです。
ここのブログを読むたびに
イギリスへ行きたくなりますよ。

miki bartley さんのコメント...

maki さん、こんにちは。
旅行会社のバスツアーは、便利だし、盛りだくさんなのですが、じっくり観るのには向きませんね。
でもいろんなところをガイドつきで紹介してくれるので、気に入った場所をみつけて、そこに次回時間をかけて楽しむといいと思います。
ソールズベリーは、普通、ストーンヘンジとバースと組み合わされる場合が多いようです。

miki bartley さんのコメント...

のび太 さん、こんにちは。
そんな風に言っていただけるとうれしいです。
じゃあ、次の記事も気に入ってもらえると思います。
同じ街なんですが、教会以外の建物を紹介しています。