2011年2月27日日曜日

お金になる木


数日前のキューガーデンの勉強会で、面白い木を紹介してもらいました。
「お金になる木」です。
お金「の」なる木じゃないですよ(笑)
お金「に」なる木。
名前は「ミツマタ」です。
繊維質に富んでいるので、紙の材料として有名だそうです。
明治12年からは、日本政府発行の紙幣の材料になりました。

もともとは中国やネパールの原産だそうです。
イギリスにこの木をもたらした人はロバート・フォーチューン(Robert Fortune)という名前で、ヴィクトリア時代に中国や日本へ出かけて、たくさんの植物を持ち帰りました。
彼は東インド会社からの要請で、中国のお茶の木をインドへもたらし、お茶の中国による独占に終止符を打ったことでも有名です。

その時は中国人の農民に扮して、秘密に木を運び出したんですって。
なんだかショーンコネリーの「007は二度死ぬ」のシーンを想像して、とっても愉快。
あの映画を見たときも、こんなのバレバレじゃんと思ったけど、似たようなことを実際にやった人がいたなんて!
なんでも頭を剃って辮髪にして、3年間の中国での生活のおかげでモノにした、中国語(マンダリン)を自由に操ることが出来たそうです。
残念ながら、ミツマタをイギリスにもたらした時には、そんな面白いエピソードは無いようです。
ニンジャに化けて、チャンバラの結果、とか面白そうなんだけどなぁ・・・。

フォーチューンは合計して中国に3回、日本に1回訪れました。
その時の経験などを本にまとめて、老後はその収入で豊かに暮らしたそうです。
出版した本は、
「中国北部をさまよった3年間(Three Years Wanderings in the Northern Provinces of China) (1847)」
「お茶の国、中国を訪ねて(A Journey to the Tea Countries of China) (1852)」
「中国人とともに暮らす(A Residence Among the Chinese) (1857)」
「江戸と北京(Yedo and Peking) (1863)」
なんだか読んでみたくなるタイトルですよね。
彼が西洋にもたらした木の種類は、なんと120種にのぼるそうです。

この木がミツマタと呼ばれるのは、枝が三つに分かれるから、という単純な理由です。
とっても覚えやすいので、多分一度みれば頭に残ると思います。
キュー植物園に来たら、ぜひ探してみてください。
ちなみにこんな風に花をつけるのは、春先だそうです。
クロッカスやラッパ水仙と同じ時期ということ。
英語ではこの木は「Oriental paperbush(東洋の紙の木)」と呼ばれます。
学名は「Edgeworthia chrysantha」です。
「Michael Pakenham Edgeworth」という人は、東インド会社で働きながら、ヒマラヤ地方でたくさんの東洋の木を採取しました。
ダーウィンなんかとも親交のあった、アマチュア植物学者って感じみたいです。

でもどうせなら、フォーチューンさんの名前を取って「フォーチューン・ツリー」にしちゃえばいいのに。
フォーチューン(Fortune)というのは英語で財産のことだから、それこそ「お金になる木」にはふさわしい名前では(笑)

2011年2月26日土曜日

落椿

昨日はJRTGAの勉強会でキューガーデンに行きました。
JRTGAは、英国公認日本語ガイド協会という名前で、日本語で観光ガイドをしている人たちの公式協会です。
暇な時期には協会主催の勉強会なども開いたりしています。

私のおうちからは、キューガーデンまで歩いて25分くらい。
といっても中は広いので、一番リッチモンドに近いゲートまでってことだけど。

勉強会は11時からだけど、ガーデンは9時半には開くので、早めに行ってお散歩を楽しむことにしました。

キューガーデンのリッチモンドよりの入り口は、ライオンゲートという名前です。
この入り口から入ると、すぐに目に入るのは東洋風の塔です。「パゴダ」と呼ばれていて、18世紀に作られました。
中国風のスタイルが、もてはやされた時代です。
遠くから見ると、それらしいのですが、近くで見ると、なんだかね。
レンガで造られていて、いかにも頑丈そう。

それも過ぎて、ずんずん歩いていくと、いきなり日本風の空間に出ます。
ジャパニーズゾーンと呼ばれているエリアで、勅使門や石庭があるのです。

平日だし、まだ開いて間もないこともあって、この辺りには誰もいませんでした。
お天気は曇り。
2月らしく重い雲がいっぱい。

石庭に近づくと、なんだかピンクの色がちらほら。

よく見ると、あ、椿。この季節にキューガーデンを訪れるときは、温室の蘭を見に行ったりするので、ここに椿があるのは知りませんでした。
東京ドームの28倍というサイズの一番端っこなので、蘭のある温室とは反対側です。

はっとする美しさ。

こんなのって、日本ぽい美しさじゃないかな?

美術館で日本のものをご案内する時に、よく似たような日本まがいのものが近くに展示してあったりして、「さて、どっちが本物の日本美術でしょう?」なんて質問をしたりします。
大概のお客様は「正解」なんですが、「どうしてこっちだと思われましたか?」って聞いてみると「なんとなく」

美に対する感覚って、はっきりどこがって言うのが難しくても、何となく感じるものって時があります。
この落椿はすごく日本的だなぁって感じました。

椿って春の季語なんですってね。

この門のすぐそばには、虚子の句が碑に残されています。


近くにはベンチが置かれていて、ゆっくりとお庭を楽しむことができるようになっています。
誰が置いたのか、落椿。多分これは日本人の仕業じゃない・・・(笑)
でも、こっちもなかなか違う意味で面白いアートだなぁっておもいました。

2011年2月24日木曜日

夜のエミレイツ

昨日は久々に夜のゲームを観に行きました。
伝統的なイギリスのフットボールは、土曜日の3時スタートです。
でもリーグ戦は水曜日の夜にもあって、ほとんどの試合は夜8時前後の予定です。

私は夜遅くなるのがイヤなので、あまり水曜日の試合には行きたくないのですが、ティムちゃんは別に気にならないようです。
この間、アーセナルのチケットを買うのに、結構大変だという話を書きました。
ティムちゃんは、ホームゲームの試合が予定されている、ちょうど1ヶ月前の朝に、アーセナルのサイトでチケットのチェックなんかをします。
行くか行かないかは、どんな席が手に入るかで決めるわけ。

昨日のチケットは夜の試合だったので、発売日ではなくて、その日が過ぎてから数日後、何となくウェブを見ていて行くことに決めたのです。
理由は一番前の席だから。
いつもはよくても2列目とかなのに、一番前なんて、やっぱり見てみたいし。

エミレイツは昼間もきれいだけど、夜のライトアップも素敵です。
いつもの騎馬警官も、夜見るとこんな風。試合はとても面白くって、得点が多いわけじゃなかったけど、あっという間に時間が過ぎました。
やっぱり一番前で観てたからかなぁ?
こんな風に観てました。
右斜め下がアウェイファン。
アーセナルの席は空席が目立ったけど、ストークのファンの席はいっぱいでした。空席は売れ残りもありますが、チケットをすでに通しで買っている人がこない場合も多いのです。
最近エミレイツでは、試合にこれない人たちが自分のもちチケットを売る制度をはじめました。
「チケットエクスチェンジ」という制度です。
ただし、売ることができるのは、ゴールドメンバーかプラチナメンバーのみ(つまり、シーズンチケットホールダー)で、一般の人たち(その都度買ったチケット)は再販はできません。
空席をなるべく無くそうとするための制度だそうです。

試合中の写真も何枚か載せておきます。
これが試合終了のとき。
裸なのはアシャービンかな?
シャツの交換をしている時です。1-0で勝ちました。
でも、ウォルコットとファブリガスが負傷したので、この先どうなるかな?
今のところはプレミエリーグ、カーリングカップ、FAカップ、チャンピオンズリーグと全てがオープンです。

2011年2月23日水曜日

イギリスのおうち

今日紹介するのは「イギリスのおうち」の種類です。
最近ではグーグルなどのインターネットツールのおかげで、その国の普通の町並みを、世界のどこからでも見られるようになりました。

イギリスの町並みの印象といえば、整然としているとか、緑が多いといったものを挙げる人が多いようです。
整然としているのは、地主がまとめて建てたものが多いためです。

エリアやその通りで年代は異なりますが、私の住んでいる地区は半分以上がヴィクトリア時代のもので、約150年といったところ。
通りによってはその少し前、ジョージアンのもの(約250年前)もあります。

私の住んでいるおうちは、築80年なので、「イギリスでは比較的新しいおうち」の部類なのです(笑)

これはまだ建って1年くらいの集合住宅です。
こういったものはイギリスではフラットとよびます。
日本のマンションとほぼ同じと考えて、差し支えないと思います。中は、ベッドルームが2つ、うちひとつはオンスイートといって、バスルームが主寝室の中に含まれるタイプだったりします。
お台所とリヴィングルームといった造りが多いようですが、もちろん物件によって違います。

これは、リッチモンドロックというデベロップメントの建物のひとつで、元学校だったところを住宅に変えました。この建物の後ろはテムズ川で、なんと寝室の数は10。
いくらくらいだと思いますか?
15ミリオンポンドですって。
宝くじに一回当たったくらいじゃ買えません(笑)

こんなのもあります。これは元チャペル。
これをひとつのおうちに改造したら、やっぱり15ミリオンとかって言われても不思議じゃないけど、中はフラットが10軒位入っています。

イギリスらしいおうちといえば、こんな風につながっているもの。
こういうのは、テラスといいます。3軒以上つながっていて、空から見ると、屋根の色とお庭の色が縞模様のように見えます。
飛行機で、空港に降りてくる時に、こんな建物がたくさん見えてくると「ああ、イギリスだぁ」って気になります。

次の二つの写真は、スタイルは違うけど、同じような建て方なのに気がつきますか?
2軒つながって建っています。
これは「セミデタッチ」という造り。結構広いんです。
これなんかは4階建て。
お玄関の階段の下に、半地下が見えるでしょう?
こういったところは普通はお台所です。

こちらは半地下は無くて、屋根裏部屋があります。
屋根に窓がついているでしょう?
もともとおうちが作られた時には屋根裏は物置だったりして、窓はありません。
こういった改造を「ロフトコンヴァージョン」といいます。
次の二つは一戸建てのおうちです。
でも、中を改造して、フラットになっていたりする場合があります。ドアの横に呼び鈴がいくつ付いているかを数えると、フラットになっているかどうかがわかります。

こんな風にドアの両側に窓があるタイプは「ダブルフロント」と呼ばれます。
バランスもいいし、どっしりして、素敵なおうちです。
ドアの両横のお部屋は、普通はリビングにします。お散歩をしながらおうちの写真なんかを撮っていると、たまに見咎められたりしますが、「建築の勉強をしているの、様式のサンプルを集めているんです」で「あら、そう」で終わりです。

2011年2月19日土曜日

ハーレクイン

今週末から、イギリスの学校は、1週間の中休みです。
そこで、子供と一緒に遊ぶために、お休みを取る大人もたくさんいます。

ティムちゃんのところで働いている人も、子供のいる人の何人かは、お休みをとるようです。
そんなひとり、Cさんから、ティムちゃんはハーレクインのシーズンチケットを預かりました。
家族でフランスにスキーに行くので、試合には行けないから、よかったらどうぞ、ってことらしいです。
ハーレクインのスタジアムは、私たちのおうちから、歩いて30分強。
有名なトゥイッケナムのスタジアムから、国道を挟んだ南側です。

ラグビーの試合と、フットボールの試合の違い、一番は場内の雰囲気です。
フットボールはあれもだめ、これもだめ、とかなりうるさくて、例えばアルコール飲料などは、バーエリアでしか飲むことは出来ません。
でもラグビー場なら観客席で飲んでも大丈夫。
客層はクラブによって随分違いますが、アーセナルと比べても、やっぱり格段にミドルクラスが多くなります。

ハーレクインのスタジアムはストゥープという名前で、南からアプローチすると、アロットメントや住宅地を抜けて、こんな場所に出ます。スタジアムの敷地内には、フィッシュアンドチップスやバーガーのスタンドがあって、屋内にもバーエリアがあります。
私は今回初めてだったのですが、チアリーダーがいて、びっくり。みんなのんびり試合前のウォームアップを見たり、歓談しながらビールを飲んでいます。
もっとびっくりなのは、試合中でもうろうろする人が多いこと。みんなビールを買いに行ったり、食べ物を買いに行ったりする人たちで、ペナルティーキックなのに、全然試合に興味が無い風に見えました。ラグビーは好きなので、別にハーレクインのファンというわけでもない私ですが、いいタックルなんかの時は、見入ってしまうのに、ビールをこぼさないように、目線はビールって人たちが本当に多いんです(笑)

試合は21-9でハーレクインが勝ちました。
帰りには、ショップに寄ってラグビーシャツを買ってもらいました。胸のところにあるのが、ハーレクインのロゴです。
アガサクリスティーにも、謎のクイン氏ってシリーズがありますよね。
ティムちゃんが「日本のラグビーのチームって、ピンクと紺色が入っていたと思う。だからこのシャツは、みきちゃんにぴったり」というのですが、私はよく知りません。

2011年2月15日火曜日

Cabmen's Shelter

ロンドンに来たことのある人は、道の真ん中に建っている、こんな小さな緑のおうちに気がついたかもしれません。
これらのおうちは正式には「Cabmen's Shelter(タクシー運転手の休憩所)」という名前です。
その昔、タクシーの運転手さんが(馬車の時代も含めて)仕事の合間にちゃんと暖かい食べ物が取れるようにと作られた、小さなカフェなのです。
提唱は1875年、シャフツベリー卿です。

シャフツベリー卿はヴィクトリア時代の政治家で、工場の法律を整えて、子供の労働のいき過ぎを規制した、キリスト教精神の象徴でもあった人です。
ちなみに彼の記念碑が、有名なピカデリーサーカスの「エロスの像」。
「エロス」というのは実は間違って広がったあだ名で、本当はエロスの双子の兄弟「アンテロス」です。

話をカフェに戻すと、19世紀の終わりから20世紀のはじめにかけて「Cabmen's Shelter Fund」 というチャリティー基金で60ほどのカフェが、ロンドンの街中に出来ました。

現在では数が減って、ロンドンの街中に10ちょっと残っています。
この写真はヴィクトリアアルバート美術館前で、道路工事のおじさんもお茶を買っているでしょう?
こんな風に、今ではタクシーに関係の無い人も、食べ物や飲み物を買うことができます。面白いエピソードもいくつかあって、テンプル駅の横、ハワードホテルのナナメ向かいに立っているカフェは、オリジナルのものから50メートルくらい西に移転しました。
5つ星のホテルの玄関に、みすぼらしいカフェはふさわしくないと考えた、ホテルのオーナーが、撤去を申し立てたのですが、許可が下りずに多額の費用をかけて少しずらすことで、折り合いをつけたのです。

また、ラッセルスクウェアーのカフェは、もとレスタースクウェアーにあったものです。
引越しの理由は、レスタースクウェアーが歩行者専用になったため、タクシーが駐まれないからです。

緑色のカフェの周りには、大概タクシーが数台駐車できるスペースがあって、運転手さんたちがおしゃべりをしながらお茶を飲んでいますから、興味のある人は質問してみると、いろいろ教えてくれます。

ロンドンのタクシーの運転手さんになるには、とても難しい試験にパスしないといけないので、ほとんどの運転手さんはとても誇りに思っています。
道に迷ったら、タクシーの運転手さんに聞くのが一番。
世界でも一番といわれています。
ちゃんと、ロンドン市のメンバーにもなっています。
ギルドの名前はハックニーキャリッジギルド。
タクシーがライセンス制になったのは17世紀というから驚きです。
でもその前身である、ウォーターマン(水上タクシー)のライセンスは12世紀くらいからあるそうです。

2011年2月14日月曜日

ヴァレンタインデーのカード

今日はヴァレンタインデー。
日本に住んでいる女の子達には「義理チョコ」などの出費がかさむ日らしいですね。
イギリスも含めてヨーロッパでは、女の子が花束とかチョコレートなどのプレゼントをもらう日です。

でもプレゼントよりも大切なのは、イギリスではカード。
さっき、ティムちゃんからもらったばっかりの、イギリスのカードを紹介します。

我が家では、郵便屋さんが来るのは遅い(8時半くらい)ので、起きた時に手紙を受け取りたい時には、夜中のうちにドアの前に置いておきます。
封筒が破れているのはもう開けちゃったから(笑)
こんなカンジで置いてありましたって再現映像です、あはは。今年のカードの表紙はこんなの。バッグの中にはウィリアムカーリーのチョコレートが入っていました。
イギリスには街のあちこちに「カード屋さん」があります。
それ以外にも、文房具店や新聞屋さん、スーパーマーケットなどにもカードが並んでいます。
花束なども、どこでも買えますから、うっかり忘れていても、当日何とかなるものです。
でも好みにかなったカードを探すのは、やっぱり大変。
カード屋さんで長い時間をかける人もたくさんいます。
ジョークが書かれていたり、素敵な詩が書かれていたり、無地で自分が何か書くものとか、中身もいろいろです。
ティムちゃんがくれたものは、こんな中身です。
ティムちゃんは、子供みたいな字を書きます。赤で書いてある「ハッピーヴァレンタインデー、愛をこめて」以外は自分で書くわけです。
ヴァレンタインのカードは「誰かがあなたのことを想っていますよ」というミステリアスなところが大切なので、ティムちゃんはいつも名前の代わりに「シークレットアドマイヤー(謎の想い人)」とサインします。
カードのあちこちに「x」がたくさん書かれているでしょう?
イギリスでは「x」はキスのことです。
3つ並べると、「I Love You」という意味にもなります。
だから、不用意にお手紙に書かないようにしないと大変です。
例えば日本で封筒の裏、留め口に「x」のマークを入れると、愛をこめてといった意味合いに誤解されるかも知れません。

2011年2月12日土曜日

リチャードのお店

昨日のお仕事は、朝の8時から夜の11時までのブッキングが入っていました。
日本からのお客様の、ビジネスミーティングのお手伝いです。
ただ、通訳として雇われたわけではないので、特にミーティング中は待ち時間。
普段はお仕事の日は、お客様と一緒にお食事をいただくことが多いのですが、私のお客様が、こちらの会社からお招きを受けている場合などは、私は数に入っていなかったりして、会食中は別の席で食事を済ませることもあります。
よく行くレストランでは、中の人も知っていたりして、気軽にのんびり待ったりもしますが、昨日は私の知らないレストランだったので、別の場所で食事をすることにしました。

場所はセントジェームス。
紳士クラブや紳士用品店などが多いエリアです。
お買い物が好きな方は、ジョンロブとか、クロケットジョーンズなどの靴屋さんの名前を聞いたことがあるかも。
アンティークを扱っているギャラリーなども多くて、落ち着いたいい街並みです。

ふと、最近お友達のリチャードに会ってないことを思いついて、彼のお店でごはんを食べることにしました。
でも金曜日だし、予約もしていないので、一杯だったらどうしようかなーとも考えたのですが、まだ早い時間だったので、とりあえず行ってみました。

ここは、気取ったレストランではなくって、とてもアットホームなブラッセリーです。
ロンドンには、この手のお店はあまりありません。
機能的なんだけど、くつろげるお店。
フレンドリーなところは何軒もあるのですが、サービスがだれていたりして、いまひとつ。
サービス業には客と従業員側にビミョーな「超えてはいけないライン」が存在するのですが、そういったラインがはっきりしすぎたり、逆に無かったりするわけです。
こういったお店側のラインというか、スタンスの存在というのは、やはり、マネージメントです。

リチャードは、私が退屈しないように、ずっと一緒のテーブルについて話し相手になってくれたので、2時間ほどの夕食時間はあっという間に過ぎてしまいました。
帰る時には月曜日がヴァレンタインデーなので、素敵なバラの花をプレゼントしてくれました。

食事は前菜にアーノルドベネット(コダラとチーズのオムレツ)メインにフランス風のステーキとチップス、デザートにはクランブーレをいただきました。

リチャードが、こまかく作り方とか、どんなお肉でどんな風に焼くとか、お料理のいわれだとか、本当にたくさんおしゃべりしてくれたので、そのうちレシピを載せますね。
今日は残念ながら、お料理の写真はなし。

あ、リチャードにもらったバラの写真。

2011年2月6日日曜日

パブのスポーツ観戦

フットボール観戦が目的で、イギリスを訪れるなんていう人も最近は多いみたいです。
旅行のQ&Aなどのサイトでも、プレミエリーグのチケットの取り方なんかが話題になったり、スタジアムへのアクセスの仕方が質問されているのを見たことがあります。

イギリスのフットボールのチケットは、そのレベルにもよりますが、そう簡単に手に入るわけではありません。
特にプレミエリーグの、日本でも知られているようなクラブでは、年会費を払って、「メンバー」になって初めて「チケットを買う権利」が生じたりするのです。

例えばアーセナルを例にとると、メンバーの種類は4種。
「プラチナ・メンバー」は、エグゼクティブクラスで、ここのウェイティングリストに載るためだけでも、年50ポンド払う必要があります。
何年かかるかは、誰も知りません。
「ゴールド・メンバー」は、普通レベルのシーズンチケットホルダーです。
つまり、ホームゲームは予約席を持っているというひと。
このウェイティングは年15ポンド。
多分15年くらいはかかるんじゃないの?と囁かれていますが、ホントのところはどうかな?

「シルバーメンバー」は試合の2ヶ月前にチケットを買う権利があります。
「レッドメンバー」は試合の1ヶ月前にチケット発売。
私たちは、年間一人30ポンド弱を支払って、このレッドメンバーになっています。
まだ10年は経たないけど、いまだにシルバーに格上げにはなりません。
ちなみにほとんどの非公認の「チケットやさん」はこのクラス。
だからメンバーカードがチケット代わりになるので、その保証金などをチケット代金に乗せて、カードを返すと保証金が帰ってくるようになっているのです。
つまり、名義人と、実際の観戦者が違うわけですから、本当は違法なので、お勧めしません。
最近は旅行会社などでは、ボックス(エグゼクティブ・クラス)に席をいくつかとって、それを販売しているようです。
値段は高いし、普通の席みたいに雰囲気は出ないけど、まず安全な観戦方法といえるかもしれません。

じゃあ、安く観戦したい人は?
答えはパブです。

イギリスのパブにはいろんな種類があって、スポーツ観戦をウリにしているものもたくさんあります。
大きなスクリーンや、テレビのモニターがたくさん設置してあるので、中に入るとすぐわかりますし、大概外にも何の試合を見せる予定か大きく書いてあります。

お目当ての試合があったら、まず、大事なのはその場の雰囲気を読み取ること。
パブはスタジアムのように、ホームとアウェイに席が分かれているわけではありませんし、スタジアムと違ってお酒の規制もありません。
だから、雰囲気を読み誤ると、とんでもないトラブルに巻き込まれる可能性があります。
ユニフォームを着ているサポーターが多いところは、熱心なファンが多いので、私なら避けます。
パンター(客)に女性が多いのは、ある程度の安全の目安かな?
それから、食事を出すパブというのもポイント高いです。
何も食べずに飲んでばかりの人は、やっぱり酔っ払いやすいので。
またスタジアムに近いパブは、アウェイのファンの場合は避けるべき。

昨日はニューカッスル対アーセナルの試合があったのですが、残念ながら、イギリスのテレビ会社では生中継はありませんでした。
ティムちゃんが、知り合いから、ウエストケンジントンのパブで、外国のデコーダーを使って生中継があるらしいと聞き込んできたので、話の種に行ってみる事にしました。

実はこれ、ホットな話題なんです。

イギリスではパブでスポーツの中継をする権利が法外な値段で独占されています。
スカイが牛耳っているのですが、なんと毎月700ポンドくらいをパブなどから徴収しているのです。
私たち、一般家庭では、パッケージにもよりますが、月60ポンドくらいかな?
ところがヨーロッパのほかの国のデコーダーを使うと、かなり安い値段で中継することが出来るのです。
まだ判決は出ていないのですが、ポーツマスのパブのオーナーがスカイの独占を違法だとして、ヨーロッパの裁判所に問題を持ちこんでいます。
どうなるか、パブのファンのみならず、みんな興味深く結果を待っています。

さて、ウエストケンジントンのパブの名前は「F3K(有名な3人の王様の略)」
上の写真が外観で、地下鉄の駅のすぐ横です。
今回はじめて足を踏み入れました。
中はかなり広くって、入ってすぐのバーとテーブルのあるエリア以外に、上のフロア、横のフロア、奥のフロア、地下のフロア、それぞれにスクリーンやモニターがあって、別の試合を放送することができるようになっています。

この写真は横のフロアから奥のフロアのスクリーンを見ているところ。土曜日には、午後3時に試合が集中しているので、各部屋で別々の試合を見せているそうですが、ぎりぎりにならないと、どこで何を見せるかは決められないそうです。
私たちは2時ごろ到着したので、「横のフロア」でお昼を食べました。
私のバーガー。ティムちゃんのパイ。値段はそれぞれ8ポンドくらいだった。
ま、値段につりあう味でした。
食べ終わる少し前に、バーの人が、アーセナルの試合は「奥のフロア」だと教えに来てくれましたから、食事の後、自分達の使っていた椅子を持って移動しました。
だって、奥の部屋の椅子はみんな取られちゃってたし。前半は4-0でアーセナルの勢いがすごくよかったのに、後半しかも70分を過ぎてから4点を入れられて、散々な結果でした。
最後のヴァンPのゴールはオフサイドでカウントなし。
結果は4-4でした。
初めは部屋にいるのはみんなアーセナルファンだと思っていたのに、後半は静かにしていたマグパイ(ニューカッスルのこと)も歓声を上げ始めて、半数弱は実はマグパイだったと発覚。
荒いファンが多い試合だったら、怖いことになる可能性はあるかも。

それじゃあ折角だから面白い話をひとつ。
ここの看板は、パブの名前にちなんで3人の有名な王様が並んでいます。
左手は、この国のピューリタン革命で、歴史上唯一斬首された王様「チャールズ1世」です。
右手は6人のお妃様がいたことで有名な「ヘンリー8世」
さてそれではこの二人と同じかそれ以上に有名な王様といえば、いったい誰でしょう?
答えは看板を見てください。



わかった?
エルヴィス・プレスリーです。
ロックの王様ですからね(笑)
実はこのパブ、ヒースローから市内に向かう途中にあるので、いつもネタに使わせてもらっています。

2011年2月4日金曜日

東インド会社

今日はロンドンの素敵なお店を紹介します。
東インド会社
そうです、歴史の時間に習った、あの東インド会社。
今はもちろんオーナーも代わって、昔の規模とは全く違いますが、ロンドンのメイフェア地区に去年の夏、旗艦店がオープンしました。
こういったことができるのは、さすがイギリスだなぁ。

店内のインテリアはとっても素敵。
歴史と新しいデザインがとてもきれいに融合していました。端々にセンスの生かされたデザインが見受けられて、小さなディテールにも理由があったりします。取り扱っている商品は、紅茶やコーヒーといった、「東インド会社」らしいもの。
この壁にずらっと並んでいるのは紅茶。
量り売りもしてくれます。興味のある茶葉は、試飲ももちろんOK。私はチョコレートが気に入りました。
この筒型のものは、いろいろな材料にチョコのコーティングがされているタイプ。
特に美味しいと思うのは、フリーズドライのラズベリーのチョコがけ。もちろん箱の詰め合わせも、プレゼントにお勧め。
私はダークチョコの詰め合わせを買いました。
すごく高級感のある割には、お値段がそんなに高くないので、びっくり。
もちろん安くはありませんが。少し趣味のいいものを探している、といった方にはぴったりだと思います。
日本語の出来るアシスタントが、お買い物の手伝いをしてくれます。
今日、私のお買い物のお手伝いをしてくれたのは、西山さんというアシスタントでした。
お勧めのお茶とか、プレゼントのチョコレートの種類とか、いろいろ相談に乗ってくれます。
ギフトラッピング(とっても素敵な箱(有料)に詰め合わせとかも作ってくれます)ロンドンで、何か趣味のいいものを探しているならぜひどうぞ。