2012年11月27日火曜日

ロンドン消防署博物館

 昨日、私が所属しているAPTGが主催する勉強会に参加してきました。

ガイド協会の勉強会では、普段あまり見ることもない場所に行ったり、オープン間もないアトラクションなどを見ることができるので、毎シーズン、何回か参加するようにしています。


勉強会のお知らせを見るまで、あることすら知りませんでした(笑)
この博物館を案内してくれたのは、元消防員だったガイドです。


彼の横に置かれているのは、消防用の人力ポンプ。
約300年前のもので、作動させるのに4人必要でした。
樫の木でできています。
手前の箱状になっているところに、バケツなどで水を入れて、ポンプの力で放水します。
移動のスピードは、時速3-4マイル(時速5-6km)でした。

少し、それを改良したタイプ。
でも、水をバケツなどで持ってくるスタイルは同じ。

あまりにも遅いということで、移動に馬を使うようになったモデルがこちら。




蒸気の力を使って、水をくみ上げたり、放水したりするタイプも生まれました。

こんな消防車が活躍していた時代のロンドンの地図。
地図上の点は消防署です。
写真はクリックすると、少しだけ大きくなります。


普通の車につなぐだけのタイプは、有事に便利。
トレイラーポンプと呼ばれて、戦時中に活躍したそうです。
これがその実物。


大きなものだけではなくて、小道具も面白い。
昔はバケツの材料は皮製が一般的でした。
いろんな図柄が入っています。
ほとんどは、火災保険会社の模様。

さすが、保険の国イギリス。
火災保険は昔から存在しました。
これは何百年も前の火災保険の証書です。

プレミアム(保険料)を払った家屋には、目印のための標が付けられました。
今でも古い建物には、こんな標がついているのを見ることができます。

そして、なんと消防署という観念も、火災保険からスタートしているのです。
それは、保険会社の人たちが、火災の際は消火に当たったから。

もちろん実際の火事の時には、もっと人手が必要です。
そこで、各保険会社は、その場にいる一般人に手助けを要請しました。
でももちろん、みんな、ただ働きはイヤです。

そこで、水汲みなどを手伝った人たちには、ビールの引換券が配られました。
この引換券は、パブでビールと取り替えることができたそうです。

ただ、大きな火事などでは、やはりプロの消防隊が必要ということで、
1833年に、London Fire Engine Establishment (LFEE・ロンドン消防署)が誕生しました。
この絵、なんだかわかりますか?


消防局員になるための体力テストの様子です。
避難はしごなど、約150kgの設備などを、実際に扱えるかどうかをテストしたそうです。

現在でも、約57kgほどのはしごを持ち上げられるかどうか、テストされるそうです

博物館の廊下にずらっと並んだヘルメット。
各国の消防隊員のものです。
手前(右)から3つ目の銀色のものは東京消防署って書いてありました。

他にもたくさんの展示がずらり。
とっても興味深く、2時間があっという間に過ぎてしまいました。

残念なのは、この博物館は予約したグループにしか開かれていないこと。
これは、人件費なども含め、博物館の予算の関係のようです。






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