2015年7月19日日曜日

ウエディングケーキと印刷

ロンドンにある、フリート通りから見たセントブライド教会。

ビルの谷間から見上げてみましたってカンジでしょう?
高さは70メートルちょっとです。

有名なセントポール大聖堂に次いで、2番目に背の高い教会でした。
共にクリストファーレンという建築家がロンドン大火の後に建てています。

このエリアは印刷で有名になりました。
15世紀の終わりに活版印刷をこの国にもたらしたのはカクストン。

彼はウエストミンスター寺院の脇に印刷所を持ちました。
ところが結構お金持ちだったので、お商売にさほど熱心ではなかったんです。

カクストンにはウィンキンデワードというヘンテコの名前の弟子がいました。
1491年に彼がカクストンの後を継いでセントブライドの近くに印刷所を移します。

ウィンキンデワードは印刷機に改良を施して、お商売にも熱心でした。
セントブライドの周りに印刷所を移したのも、このエリアに印刷の需要があったから。
そのうち詩人や劇作家の作品を印刷するライバルの印刷所も近くに集まるようになりました。

これがウィンキンデワードさん。
タイルに描かれているのがわかります?

この道で見つけました。
フリート通りの裏通りです。

小さな路地なんだけど、結構細かな印刷にまつわるお話が書かれています。
イラスト入りで分かりやすい。
昔の印刷機の絵もたくさんあります。

この地図はウィンキンデワードの時代のフリート通り近辺。
グレーの部分は宗教関係の建物を示しています。
印刷関係の需要は教会のまわり。
なので、このエリアが印刷所を持つのにぴったりなことがわかります。

ということで、セントブライド教会には印刷関係の博物館があります。
興味のある人はぜひのぞいてください。
コピー印刷が始まるまでは、メジャーな新聞会社はフリート通りに並んでいました。
以下はそんな新聞社とその起業年。

Guardian (1821)
Sunday Times (1822)
News of the World (1843)
Daily Telegraph (1855)
The People (1881)
 Financial Times (1888)
Daily Mail (1896)
Daily Express (1900)
Daily Mirror (1903)
Sunday Mirror (1915)
Sunday Express (1918)
Morning Star (1930)

このプラークは上に紹介した横丁のそぐ脇で見つけました。


さてセントブライド教会に話を戻します。
もう一度、その姿を見てください。
円柱が段々になっているこの姿。
これ、ウエディングケーキの原型なんです。

近くに住んでいたパン屋の小僧が修業を終えて、一人前になりました。
そして、かねてから恋仲だった親方の一人娘と結婚することになりました。
結婚式のセンターピースにみんなをあっと言わせるケーキを作ろうと考えてこの塔をかたどったケーキを焼いたそうです。

彼の名前はウイリアム・リッチ。
親方の娘はスザンナ・プリチャード。
18世紀後半のお話だそう。

段重ねになっているウエディングケーキにはこんな裏話があるんです。
きっとこの教会に結婚式か洗礼式の記録があるんじゃないかな?

いつか調べてみようと思いつつ、いまだに実現していません。


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