2017年9月27日水曜日

ジェノヴァでびっくりしたこと2つ

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 イタリアのジェノヴァで驚いたことが2つありました。

ひとつはバーで飲み物を頼んだら、必ずおつまみが出てくること。
イギリスのパブでは、まずないサービス。

そんなことをティムちゃんに言ったら、昔はチーズやクリスプスを出してくれるところが多かったと教えてくれました。

「僕が経営者だったら、絶対に塩辛いものをおつまみに出すよ」
そしたらみんなタダだと思ってたくさん食べるだろう?そのうちのどが渇くから、2杯目の注文につながるのさ」
損して得取れってことですね!

ジェノヴァのおつまみは薄めのフォーカッチャが多かったです。
チーズが乗ってるのとか、サラミが乗っていたり、ペストソースと一緒に出してくれたところもありました。

カモーリのバーではおつまみセットみたいなのが出てきて、その量にティムちゃんがお会計を心配したほどでしたが、普通の料金でした。

じゃあ「普通っていくら?」っていうと、ワイン2杯で10ユーロくらい。
安いところだと6ユーロくらいまで下がります。

ツーリスト価格なのかどうかはわかりませんが、物価に比べると、ちょっと高いんじゃないのって思いました。
でもロンドンがもっと高いので、気にはなりません。

同じイタリアでも、カプリとか、もっと高かったし。
そういった、超観光地みたいなところに比べると、ジェノヴァは安いと思いました。

こういったおつまみ、食べずに残しても次の人には出さないだろうから、いつも出される前に要りませんってお断りしていました。
だからと言って安くなるわけじゃないけど、食べ物を無駄にするの、もったいないしね。


それに、私たち、普通はランチやディナーの前に、食前酒のつもりでバーに行くので、お食事前におなかを膨らませたくなかったのも理由。

さて、お酒を飲むと行きたくなるのがお手洗い。

これが2番目のびっくり。

比較的きれいなバーでも、トイレに便座がないんです!

多いのはこんな感じ。
便座が無くなってずいぶん経ちますが、それが何か?
開き直った風です。

これなんかは、蓋はあるのに便座がない。
 こんなデザインのトイレかと思いました。
こんな感じで、金属製のがコッツウォルズにあります。
それは、蓋はないけど、お掃除が楽なんだろうなぁ。

これなんか、美術館のお手洗い。
正直、「入場料10ユーロ弱とるんだから、便座くらいちゃんと用意してよ!!」って思いました。

イギリスだったら無料の美術館や博物館でもトイレの便座はありますよ!

なので、レストランで便座がついているだけで、うれしくなります。
こんな風にトイレと合っていない便座でも(笑)
イタリア語で「お手洗いはどこですか?」はちゃんと言えるようになりました。
でも「どうして便座がついていないんですか?」はなんて言うのか知りません。
どうせお返事をイタリア語でまくしたてられても、私の語学力ではわからないだろうから、聞いても仕方ないかもね(笑)





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2017年9月25日月曜日

大英図書館でお勉強してきました!

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このブログでも時々紹介していますが、私たち観光ガイドはガイド免許を取った後も、秋から冬にかけて勉強会に参加して、いろんなことを学んでいます。
観光ガイドギルドAPTGだけではなく、JRTGA(英国公認日本語ガイド協会)でもいろいろな勉強会を主催しています。

先日は大英図書館での勉強会に参加してきました。
大英図書館は、もとは大英博物館内でしたが、独立したのは1973年、1997年に現在の場所に移転しています。

意外に新しいって思われるかもしれませんが、もとの歴史は大英博物館ができた1753年までさかのぼります。
アメリカの独立宣言が1776年だから、大英図書館はアメリカよりも古いってことになります!
現在、世界最大の図書館です。

大英図書館のベースになっ たのは4人のコレクターの蔵書。
Sir Robert Bruce Cotton、Thomas Grenville、Sir Hans Sloane、Sir Joseph Banks
後ほど加わったものには、ジョージ3世の蔵書も含まれます。
現在の図書館、中に入ってエスカレーターを上がるとカフェがあります。
その手前にガラス張りの古い本がディスプレイされている部分がジョージ3世の蔵書です。
この勉強会に参加するまで、この中の本は飾ってあるだけだと思っていましたが、読みたい人がいたら係員が取りに来るんだそうです。

ちょうど私達が見ている時に、そんな係員がやってきました。

彼女が中に入って操作すると、本棚がスルスルと奥まっていきました。
本を数冊抜いた後に、また元に戻りました。
図書館らしいお洒落なインテリアって思っていたけど大間違い。
ちゃんと機能しているんですね!!
でもほとんどの蔵書は24mの深さがある地下に収められていて、その部分は見学できません。
またヨークシャーに別の倉庫もあるそうで、利用機会の少ない蔵書はそちらに収められています。

この脇には切手をプリントした印刷機が飾られています。
同じような機械をバースの郵便博物館で見せてもらったことがあります。

ここ、切手のコレクションでも有名。
イギリスは何といっても切手の発祥の地。
なので、イギリス発行の切手には国の名前が書いてありません。
君主の横顔と金額もしくはクラスのみ。

世界初の切手は有名なペニーブラック。
たくさん印刷されたので、実はそんなに高価ではないそうです。

コンディションにもよりますが、だいたい1枚100ポンド前後で取引されているそう。

ペニーブラックは1年ほどで終わって、その後はペニーレッド、赤い色に変わります。
理由ですか?
ポストの色に合わせて(冗談ですよ~!!)

消印の色が黒だから、再利用されてしまう可能性があって、それを防ぐために赤にしたそうです。
切手のコレクションはボードを引き出して閲覧できます。

今回、館内の係りと一緒だったので写真はOKでしたが、本来このエリアは写真禁止なのでご注意ください。

高価な切手が多いので、セキュリティーのためかもしれません。
各ボードにはアラームが設置されているそうです。
 ボードにはナンバーが入っていて、どの国の切手を観たいか簡単にわかります。
日本の古い切手もありました。
29番の板を引き出すと、古い日本の切手を見ることができます。
1871年のものがありました。
これ、収集したのは  Thomas Tapling という人です。
たくさん並んでいるのに、ディスプレイされているのは何とたったの1%と聞いて、さらにびっくり!
ペニーレッドのボード(11番)に展示の、77番の切手は何と3億円くらいするらしいです。
 見てみたい?

これで~す。
 どこがいいの?って思いますよね?
印刷の端っこなので、他の切手よりも幅が狭いんですって。
くだらな~い。
だけど、3億円かぁ~…。
 50番のボードには7.5億円くらいする切手が入っています。
モーリシャス諸島の、舞踏会の招待状に貼られていた切手で、世界に3枚しかないそうです。


この後は場所を移して、11部門ある専門閲覧室の一つ、アジア・アフリカ部門を訪れました。
東インド会社とのかかわりが深いので、会社の紋章が壁に貼られていました。
1739年のものだそうです。
壁にはたくさんの肖像画も飾られています。
時々美術館に貸し出しもしているそうです。
 こちらが閲覧室の様子。
夕方5時の閲覧時間終了後なので、がら~んとしています。
 コレクションは本だけでなく、写真とか、地図、中国で占いに使われていた古い骨まであるそうです。


赤い服の人はインドで総督をしていたクライブさん。
ロンドンのバークレー広場におうちが残っています。
 彼も含めてたくさんの人たちが、インドとイギリスの間を船で行き来していました。
 そんな航海日誌もたくさん保存されています。
2000部くらいあるそうです。
海に出ている時には簡単な記録ですが、それを陸に上がってから清書したものが正式な日誌。
船長さんたちは、それを提出しないとお給料を受け取れなかったそうです。
この日誌にはフランス軍から攻撃を受けたことの記録が記されていました。
普通はこういったことでもない限り、きわめて退屈な記録だそうです。
 蔵書は全てバーコードで整理されています。
こちらがこの日誌のもの。

 こんな航海日誌、いったい誰が閲覧したいのかと思ったら、お天気などの記録が第一級の資料なんだそうです。
温度とか嵐の様子とか、今、まさに研究が盛んな部門。
地球の温暖化などを調べる際の資料にもなるんですって!
 ということで、退屈なんて言ったら怒られちゃいますね!
 さて、インドで政治にかかわる官僚になるためには、しっかりとお勉強して試験に受からないといけません。
次に見せてもらったのはそんな試験の問題集。
 受験生が書き込んだ数式が残っていて生々しい…。
 これは数学の問題らしいです。

さて、お次は1482年に印刷された地図です。
 古代のギリシャの本を元に作られました。
ちょっと黄色っぽい大陸はアフリカ。
その上がヨーロッパ。
右手はインドと中国で、日本はありません。
アメリカもまだ。
 同じ本のイギリス地図がこちら。
 何となく言おうとしてることはわかるんだけど、スコットランドがかなり曲がってます。
テムズとセバーン川はしっかり描かれていて、陸地よりもモノを運ぶルートが大事だったことが分かります。

 これは旧約聖書。
ペルシャ語の文ををヘブライ語で書いてあります。
ローマ字で日本語の文を書くような感じかな?
 文化の交わりが読み取れて興味深いです。
16世紀のものだそうです。

さてお次の本は新しい。
2008年にカリフォルニアで出版されたハガダー。
ハガダーというのはユダヤのお祭り、過ぎ越し祭で読まれる文書です。
旧約聖書の一部と思えばそんなに遠くない。
これは、1940年にポーランドのArthur Szyk さんが出版したものの、限定復刻盤。
 大英図書館は Legal deposit 図書館といって、英国内で出版されえる本は必ずここに納入される決まりになっています。
それ以外に寄附などで外国のものも集まってきます。
何と1日に8000の印刷物が集まります。
でもお金を出して購入するものもあるそうで、これはそんな一つ。
1000ポンド以上したんですって!
今、オークションサイトで見たら、£1,442.70。
送料無料って出てきました(笑)

中のイラストがとってもきれい。
 これはノアの洪水の部分。
 こちらはモーゼがエジプトの女王に拾われるところ。

 そのモーゼが成長してエジプト人を殺すところ。

 限定版だけあって、装丁が大げさ。
解説書ときれいな装飾の拡大レンズも入っていました。
 さて、豪華本の次はファイルに入った紙の束。
 これ、いったい何かというと、リストです。
 開けると日本人の名前がずらり。
 シンガポールで捕らわれた、日本人のリスト。
第2次世界大戦の時です。

名前、性別、出生地とお誕生日、職業、身内の住所が記されていました。
みんな収容所に入れられたらしい。
職業も色々です。
 漁師、タバコ屋、写真家なんてのもありました。
出身地、沖縄が多かったです。
 でもすべてに目を通したわけじゃない。
興味のある人は、大英図書館に問い合わせすると見せてもらえると思います。
今回担当してくれたのは、アジア・アフリカ部署の Hedleyさんという方です。

さあお次はセントヘレナという島の記録。
 この本には生誕、婚姻、埋葬の記録がぎっしり。
5月9日のところを見たら、少し他よりも大きな字で…
 ナポレオン・ボナパルト、元フランスの皇帝と書かれていました。
 亡くなったのはウィキによると1821年の5月5日。
埋葬は9日なんですね。
1840年に遺体はフランスに引き渡されて、彼はフランスに眠っています。

さて、最後に紹介するのはゴーカという船のガゼット。
 長い航海中、お船の上で語られた冗談や小話、なぞなぞなんかを集めたものです。

こういったものは普通記録に残らないことが多いので、その当時の人々の感覚を知る、大切な資料だそうです。
バーコード票を見たら、1887年のものだと書かれていました。

 この中の冗談の一つを紹介します。
「どうして女の人は電報が好きなんでしょう? Why are women like telegrams?」
「メイル(発音が男性(Male)と同じ)よりも賢いから Because they are in advance of the mails in intelligence.」
まだ女性が参政権すら持っていなかった時代なのに、けっこうフェミニストなジョークがあったことに驚きます。
アジア・アフリカ部門の閲覧室は、11ある閲覧室の中では小さいものの一つだそうですが、居心地のいいお部屋です。
ここは貸出図書館ではないので、読みたいものを用意してもらって、このお部屋で勉強します。
今回かなり古い本なども素手で扱っていたことに驚きました。
写真の撮影は最近だいじょうぶになったそうです。
以前は駄目だったそうですから、色々なルールは日々変わっていくのでしょうね。
係りにその都度確認する方が確実です。

出口には持ち出し禁止の但し書きがありました。
多分このルールは変わらないはず。

大英図書館の公式サイト(リンクします)


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